児島徳夫コラム:有機無農薬農法にまつわるアレコレを語る

児島徳夫コラム2

堆肥(たいひ)をつかう

「無」の会の堆肥センターに集められた茅(かや). これが堆肥の材料になる. 古民家の茅葺き屋根は火災予防のため全てトタンで覆われており, 直接風雨に晒されることはない. つまり, 放射能もほとんど浴びていないことになる

児島: わたしは肥料を買いません。自分で堆肥(たいひ)を作ります。

 原料は、まず茅(かや)でしょ(上写真)。これは古民家の屋根を葺(ふ)きかえたり、取り壊したりすると出てきます。

 茅というのは、ススキですね、ススキの枯れたのを乾燥させて屋根にのせる。セルロースのかたまりです。でも古くなって捨てるときは廃材です。お金払って処理してもらうか、燃やすしかない。会津には、わたしの近くにも、まだ古民家が残っています。だから、古くなった茅がみんなぶん投げてあります。それを話をしてもらってくる。

 それから豆腐のオカラ。豆腐屋さん困っちゃってるわけ。売るったって、売れる量はたかが知れてる。だから、大量に出るオカラを、やっぱりお金払って処分してもらってる。つまり、オカラもぶん投げてあるもの。それを交渉してもらってくる。

 あと、菜種の絞り粕ね(下写真)。普通は化学薬品を使って抽出したものが多いんだけど、これは薬品一切使わないで圧力かけて搾ったものの残り粕です。

菜種の絞り粕 (化学薬品無添加)

 そして、モミガラ。全部、まわりの環境からもらってきたものを循環させてるわけです。そういうものを宝の山として、売ってる肥料は買わないこと。

 お金払って買ってるものといったら、太古の水とミネグリーンぐらいのもんですよ。ミネグリーン入れると、遠赤外線の効果で、堆肥の分解発酵が普通の3倍くらいのスピードですすむのね。太古の水も発酵を早めて、状態をよくする効果があります。

 あとは全部、行き場がなくてぶん投げてるもんですよ。

 <八幡礦業株式会社 ミネグリーン>
http://www5.ocn.ne.jp/~yahatako/index.html

<木内鶴彦さんのオリジナル「太古の水」はこれまでネットでは販売されたことはなく、現在も販売されてはおりません。お問い合わせ、ご注文は下記に直接お願いいたします>
〒385-0051 長野県佐久市中込3085-4 オフィスT/K N,K.R事業部
TEL 0267-64-5891

 冬の間に撮っておいた、モミガラを堆肥センターに運ぶ写真です。すこしタイミングがズレてしまいましたが、ご報告いたします。 3月3日撮影  「モミガラ運び1」・・・精米小屋でモミを玄米に摺った時に出るモミガラは、送塵機から出る風によってホ...

Posted by 自然農法「無」の会 on 2015年5月12日

「無」の会の Facebook 記事より


「無」の会の堆肥センター. このような専用の堆肥小屋を自前で持つ農家は全国でもそう多くはない. 3つに区分されたうち一番左にいくほど, 熟成の進んだものが置かれている

 こういうふうに、いかにコストを抑えて有機農法をやるか、そこが農家として大切なところでしょ。情報でもなんでも買えばお金がかかります。でも、知恵をつけて自分で考えれば金かかんないわけね。わたしは有機農法家のなかでは、田んぼの面積のわりには、いちばん肥料代が少なくなってる方だと思う。

 これからの時代はね、電気でもなんでも、自然エネルギーを使っていくといってるんでしょ。あるいは、ゴミでもなんでもエネルギーにできないかって言ってるんでしょ。そういうリサイクルの輪の中にはいった農業をしていかなければ、外からいろんな製品ばかり買ってやっていては、わたしは成功しないと思う。

 わたしは自動車も農機具も機械も、新品なんてほとんど買ったことはない、みんな中古品か、人からもらったものばかり使ってます。そうやって浮かせた金で、この堆肥小屋を建てたり、田んぼに暗渠を作ったり、よりよい米を作るために投資するんです。

分解の進んだ堆肥からにじみ出す甘い汁を吸いに飛来した日本ミツバチ (中央上部のあたり)

 まして、自分で作ったこの堆肥の方が、高い金払って買ってきた肥料より、おいしいお米ができるんだよ。しかも、生産量も上がるんです。いま、普通に農薬と化学肥料でやってる場合の1.2から1.3倍くらいの収穫です。これをわたしは、最終的には1.5倍くらいにしたいと思っています。それを直売でお客さんにリーズナブルな価格で売る。こうしていけば、TTPだって怖くはない。日本の農業は充分に産業としてやっていけます。

パワーショベルで散布機に堆肥を積む児島徳夫

パワーショベルで小屋の外に掻き出された堆肥から濛々とあがる湯気. 分解発酵が活発に進んでおり, 中の方はかなりの高温になっていることが分かる

キノコのはえた堆肥. 表面だけでなく, 奥の方でも無数の菌類や微生物が繁殖して分解を進めている

いい堆肥は, 乳酸飲料のような甘酸っぱいいい香りがする. 鼻を刺すアンモニア臭はまったくしない. いわゆる完熟した堆肥が散布に適したものとは言えない. むしろある程度まで分解が進んだ半熟の状態で, 稲刈り跡の秋の田にまき, 冬の間, 雪の下でじっくりゆっくりと熟成をつづけ, 土と馴染ませる

午前3時, 寝る間も惜しんで堆肥の散布に出発する児島

やがて朝日がのぼる… 美しい秋の会津美里町の夜明け

散布機に堆肥がなくなると小屋に戻って積み直してまた田に戻ってくる. 明るくなっても, まだ児島の堆肥散布はつづいている. もうすぐ訪れる初雪までにすべての田にまき終えなければならない. 日中には, 穫れたての新米の精米, 選米, 袋詰め, 出荷, 放射能検査, 等々の忙しい作業が待っている

夜明けの田園風景:会津美里町