児島徳夫コラム
有機無農薬
農法まつわる
アレコレ
を語る Part 3

◀︎ ▶︎ 児島徳夫コラムパート3「苺コラム」
渡辺葉月さん

葉月 無の会で働き始めて1ヶ月たつので、徐々になれてきたのかな。。。

わたしはもともとここだけじゃなくて農家を回ってたんで、それぞれがどこをポイントにして農業をやってるかというのは、ほんとに一軒一軒違ってたんですよね。

わたしはどちらかというと経営を学びたいので、働くなら、やっぱ売ることに力入れてるところがよかったんですよ。コメを作る、野菜を作る、それだけじゃなくて、プラスアルファの面白いことやってる無の会に出会って、ここだって思ったんです。

原宿のビーガンレストラン「MOMINOKI HOUSE」で働いていたときに、そこと契約している農家さんを紹介してもらって、ちょこちょこ訪ねまわってたんですよ。

といっても、わたし全然ビーガンじゃなくて、普通にお肉も食べるんですけどね。生まれは横浜なんですけど、わたしは単純においしいものが好きで、いろいろ食べてきましたが、やっぱ料理は食材だなってことにたどり着いたんです。高級レストランなんかに行き尽くした人も、最終的には、いい食材ということに行き着くんですよね。

じゃあ、いい食材って何なのかって言ったら、自然とナチュラルなもの、人工的じゃないもの、逆に言えば、ナチュラルなものがおいしいものなんだって思うようになったんです。

そういう気づきのキッカケはなんだったかって言われたら、やっぱりMOMINOKI HOUSEになりますね。そこでご飯を一口食べただけで、なんでか知らないけど涙が出てきたりとか、たぶんすごくデトックスされたんですよね、そのとき。

「あっ、イノチ入ってきてる」って実感があって、わたし食べながらだーって涙が出てきて、わたしはそれまで何を食べてきたんだと。

スーパーで売ってる野菜なんかでも、それまでも知識としてはオーガニックとか、農薬や化学肥料は使わないほうがいいとかっていう話は耳にしていましたが、そういう従来農法の野菜は、超簡単に言えば、野菜が死んでんだなって思ったんですよ。きれいに見えてるけど、実は死んでる。


MOMINOKI HOUSE  http://www.mominoki-house.net/

2020年にコロナがきっかけで、自転車で都内を回って、おいしいものを探して食べてたとき、MOMINOKI HOUSEのメニューに「しあわせ弁当」ってあって、一度食べてみたいと思ってたのを思い出して、そうだ、いま食べようって、行ってみたんです。

ちなみに、¥5,500(笑)。

そしたら、お店は暇そうにしてて、はじめてそこのオーナーが話しかけてきて、

「テレワーク中なの?」

「いいえ、なにもしてないです」

「あのさ、ぼく、いま、後継者を探してるんだよね」って突然言われて(笑)。ちょっと宇宙っぽい人なんですよ。ご本人も“宇宙から来た料理人”って言ってるくらい(笑)。

それで2時間くらい話してるうちに、

「いま人件費削ってるから、ぼくひとりでやってるんだよね」

「ああ、それなら、わたしヒマなんで、呼んでくれたら来ますよ」って答えて、それがきっかけでほんの数回ですけど、店のお手伝いしてたんです。

そこにもう一人ボランティアでポンッと入ってきた子がいて、

「ぼくは、これから仕事もやめて、自給自足するんだ。これからここで紹介してもらった農家を見学に行くんだよね」って言うんですよね。

「あー、そうなんだ」

「いっしょに行く?」

「じゃあ、行こうかな」ってなって、それでいっしょに農家を回り始めたんです。

そしたら、記憶が蘇ってきて、大学生の時にわたし農家に行きたいって思ってたんだって。自分の数年前のfacebookなんか見ると、

「農家で働きたいです。誰か紹介してください。できれば無農薬がいいです。」とか書いてあるんですよ。

無農薬なんて言葉、もう知ってたんだ。そうなんだ、これって昔からのわたしの夢だったんだって、思い出したんですよ。べつにわたしの家庭も、私自身も、それまで「無農薬」とかこだわってたことなかったんですけど、不思議ですよね(笑)。

大学は体育学部なんで、外に出て、常に体を動かして、そこにいる人たちを見るのが好きなんです。

前の仕事は保育だったんですけど、べつに特別子どもが好きってわけでもなくて、大人も子どもも区別なく、持ってるエネルギーの量が多いんですよね、子どもって。エネルギーめちゃくちゃ一杯持ってる人たちが集まってる場所が保育園であり、学童でありってことだったんですよね。そういう場所に惹かれます。

いまもここ(会津美里町)のヨガ教室から帰ったばかりなんですけど、そういう体動かすことをとったら、もうわたしには何も残らない、そんな感じなんですよね。

いくつか農家を回ったなかで、なぜ無の会にピンッと来たのかっていうと、直感とタイミングですね(笑)。

パンデミックがはじまって、保育と飲食と、わたしは2足の草鞋をはいてたんですけど、そのとき、自分の職としてこれからも保育は残る、飲食は消えるって思ったんです。で、潜在意識とつながろうと思って、なぜか保育を辞めたんですよね。食の世界を掘って行こう、農業の経営者を目指して行こうって思ったんです。


(2020年11月 会津美里町「無の会」にて)


 natural_l_m へのリンク
葉月さんが無の会でいま任されているのは豪雪下のハウスでのイチゴ栽培とマーケティング。
彼女のインスタグラム「natural_l_m」では、温度(気温・地温)との戦いの日々を垣間見ることができる。


2020年11月、苺のハウスで。葉月さん(左)、岡本くん(右)

関東東北でのイチゴの有機無農薬栽培は、これがはじめてではないかとも言われる。

「まったくの素人がそれに成功したら、痛快でしょう。まさに無の会のメソッドの勝利になる。」と語る児島がこれまでのノウハウすべてを注ぎ込んだ、注目のプロジェクトの最初の成果は、2021年2月ごろにお披露目予定です。

次頁で、この苺の「数量限定」の事前予約のお知らせがあります。